高分子構造研究室
Lab. of Polymer Structure

教職員

桜井謙資教授、佐々木隆助教授、入江聡助手、辻正晴技官

研究内容紹介

研究内容紹介

  1. キトサン結晶構造[キチン、キトサンハンドブック,技報堂,p.133-148 (1995)]
  2. キトサン液晶から作製した
    延伸試料の広角X線回折図
    決定された結晶構造モデル

  3. キチン/アパタイト複合膜(歯科材料)に関する研究

  4. [Singapore大学との共同研究,J. Biomed. Mat. Res., 41, 541 (1998)

    Chitin/HAP複合膜の走査電子顕微鏡観察 表面元素分析結果
    <多孔質キチン膜全体にわたるアパタイトの一様分布>

  5. 耐熱性高分子ポリイミドの構造[J. Macromol. Sci.-Phys., B33, 63 (1994)
  6. 熱処理した熱可塑性ポリイミド(TPI)の透過電子顕微鏡写真と電子線回折図
    <板状結晶が流れの方向に対して垂直に配列した構造の発現>

  7. 自発的繊維形成型・超高分子量ポリエチレン繊維強化ゴム[Polymer, 37, 3953 (1996)
  8. a: EPTゴム
    b: 単純ブレンドゴム
    c: 繊維強化ゴム
    応力-歪み曲線

    <大きく強度が向上した繊維強化ゴムの作製に成功>

  9. 高分子の構造形成メカニズムの研究
  10. 高分子材料の機能発現に重要な役割を演じる結晶構造や高次構造について、その形成メカニズムの基礎研究を精力的に行っています。得られた知見は高分子材料の加工プロセスのさまざまな場面への応用に役立つことが期待されます。

    高分子の溶液結晶化

     高分子の結晶が溶液状態からどのように形成されるかを詳しくしらべています。一般にそのメカニズムは非常に複雑であり、系に大きく依存します。さらに、得られる結晶のモルホロジーは溶媒の特性を強く反映します。例えば、ポリエチレンオキシドを高粘度溶媒であるトリプロピオニン中で結晶化させると、真球状の綺麗な球晶(Fig.1)が得られ、その大きさは場合によっては直径数cmにも達します。このような現象は、この系に特有の分子間相互作用に由来することをつきとめました。また、トルエンやジメチルアセトアミド中ではアキシャライトが凝集した輪郭がギザギザな結晶粒子(Fig.2)が得られます。これら粒子ははせいぜい直径1mm程度までしか成長しません。

    Fig.1Fig.2
    <参考文献>
    1. T. Sasaki, M. Kurita, T. Yabu, and T. Takahashi "Diffusion aspects in the crystallization of isotactic polystyrene from solutions" Macromolecules 28 (25), 8528-8534 (1995).

    2. T. Sasaki, Y. Yamamoto, and T. Takahashi "Spherulitic growth of poly(ethylene oxide) from viscous solution" Polym. J. 30 (11), 868-873 (1998).

    3. T. Sasaki, Y. Yamamoto, and T. Takahashi "Primary nucleation rate and radial growth rate of poly(ethylene oxide) spherulite in viscous solutions" Polym. J. 32 (3), in press (2000).


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