高分子合成化学研究室
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研究室メンバー(平成25年4月現在)
橋本 保 教授,阪口壽一 准教授,漆ア美智遠 技術補佐員,渡辺聡子 事務補佐員 | |
博士前期課程11名、学部4年生9名 |
研究内容
機能性高分子の合成
スチレン誘導体やビニルエーテル類などのビニルモノマーのカチオン重合やラジカル重合により,様々な新規ポリマーの合成を行っている。
合成した新規ポリマーの機能性材料としての応用について検討している。
右の写真は,当研究室で開発した新規プラスチックレンズである。従来のレンズより,軽量,耐水性,高屈折率といった特徴がある。
新規ビニルエーテルモノマ−の重合反応
ビニルエーテルはカチオン重合性モノマーであり,得られるポリビニルエーテルは新しい高分子材料として応用が期待される。これまでに,様々な構造の置換基をビニルエーテルに導入することにより,耐熱性プラスチック,熱可塑性エラストマー,二酸化炭素分離膜などを合成した。
高分子材料の特性はポリマーの分子量,構造により異なるため、それらを制御することは重要である。
当研究室では、分子量などの精密制御を可能にするビニルエーテル類のカチオン重合反応の研究を行っている。
分解・リサイクル可能な高分子材料の開発
ポリウレタンはクッション材料,断熱材料として広く利用されている。エポキシ樹脂は接着剤,被膜剤,繊維強化プラスチックなどに使われている。しかし,これらはリサイクルが困難な高分子であり,ほとんど再利用できない。
当研究室では,ポリウレタンやエポキシ樹脂を容易に分解し原料に戻しリサイクルできる新しい分解・リサイクル性材料の開発を行っている。
新しい機能性共役系高分子の合成と分離膜への応用
空気を透過させて高酸素濃度空気を製造する酸素富化膜や大気中から二酸化炭素を分離・回収する二酸化炭素分離膜など高分子膜を使用した気体分離技術は,従来の分離方法に比べて省エネルギー・低コストであるため注目されている。
我々は優れた分離能を示すような新しい高分子の構造を設計・合成して,それらの機能を明らかにしている。かさ高い置換基や極性基を有するポリアセチレン,ポリフェニレン,ポリフェニレンビニレン,ポリフェニレンエチニレンといった共役系高分子を重合反応によって合成している。
発光材料を目指したポリ置換アセチレンの合成
有機発光材料が実用化されるようになり,これらは今後も利用が拡大していく重要な技術であると考えられる。
我々は,共役ポリマーであるポリ置換アセチレンを新規に合成して発光特性を明らかにしている。ポリ置換アセチレンを骨格として,複素環を含むことによる発光特性に及ぼす効果や架橋反応の影響を調べることによって,優れた新しい高分子発光材料の開発を行っている。